あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?

- 2018年公開
- ヒューマンドラマ
- 塚原あゆ子監督
- 奥寺佐渡子脚本、川口俊和原作
- キャスト:有村架純、伊藤健太郎
「コーヒーが冷めないうちに」概要
主人公の数は特定の席に座ると、自分の望む過去に戻れるという奇妙な喫茶店で働いている。
ただし、過去に戻れても現実は絶対に変えられない事、コーヒーが冷めるまでの間しか戻れない事など、色んなルールが存在していた。
そして、過去に戻りたい人たちが、この喫茶店を訪れるのだが・・・。
そんな人たちの4つのオムニバス物語です。
登場人物
・時田数(有村架純)
通称かずちゃん。喫茶店「フニクリフニクラ」のウェイトレス。
父を早くに亡くし母子家庭。代々ウェイトレスをやっている。
・時田流(深水元基)
喫茶店「フニクリフニクラ」のマスターで数とは従兄にあたる。口数は少なめ。
・幽霊(石田ゆり子)
いつも同じ席に座っている幽霊。
霊感が無い人にも見える。たまにトイレに立つ。
・新谷亮介(伊藤健太郎)
常連客。いつもカウンターに座っている大学生でかずちゃんに片思いしている。
・清川二美子(波瑠)
幼馴染にフラれる。というか想いを伝えきれてない女性。
1週間前に戻りたがっている
・賀田多五郎(林遣都)
二美子の幼馴染。二美子と喧嘩したままアメリカに旅立ってしまう。
・平井八絵子(吉田羊)
常連客の一人。旅館の娘だが親とけんかして家出して今はスナックで働いている。
妹に後を継がせてるので恨まれていると思っている。
・平井久美(松本若菜)
八絵子の妹。姉の代わりに旅館を継いだ。姉と一緒に旅館をやるのが夢で姉が戻って来るのを待っている。
・高竹佳代(薬師丸ひろ子)
若年性アルツハイマーで、いつも旅行雑誌を読んでいる。
夫に渡したい物を持ち続けている。
・房木康徳(松重豊)
佳代の夫。毎日、喫茶店に佳代を迎えに来る。
佳代の看護をするために看護士に転職した。
4つのお話
- アメリカへ行ってしまった幼馴染と会いたい
- アルツハイマーにかかる前の妻に会いたい
- 生前の妹に会ってちゃんとお別れしたい
- 母に会いたい
4つの話のオムニバスになっています

誰が過去に戻ってもルール通り、現在の状況は何も変わりません。
もし過去に戻れるとしたら・・・
多分、この映画を観た多くの人が考えたのではないでしょうか?
「もし過去に戻れるとしたら」
私も考えてみました。
あの時あっちを選んでいれば、あの時あんな事言わなければ、どうしてああしなかったのか・・・などなど。
今更言っても仕方ない事ばかりですが、結局人間ってどんな生き方をしても悔いが残るんじゃないかと思ってます。

今の現状が変わらないのなら、過去に戻らなくていいな
と、私は思いました。
ただ、大切な人が亡くなったりとかしていたら、会いたいので戻りたいと思うでしょうね。
「コーヒーが冷めないうちに」原作
原作:川口俊和
もともとは戯曲だったようで、舞台作品として上演されていました。
喫茶店の中ですべてが完結するので確かに舞台っぽい設定ですよね。
2015年に小説として出版して、2017年には本屋大賞にノミネートされています。
「コーヒーが冷めないうちに」見た感想
4回泣けるという触れ込みだったけど4回は泣けなかった。
房木と佳代の回が一番泣けました。

薬師丸ひろ子さんと松重豊さんの演技が上手すぎて
原作ではもっと古びた昭和っぽいアンティークな喫茶店をイメージしましたが、映画の中の喫茶店「フニクリフニクラ」は明るくてきれいな喫茶店でした。
「フニクリフニクラ」ってどういう意味なんだろうと思って検索したらイタリアの大衆歌曲で1880年に作られた曲のタイトルです。
ラストは意外な展開となってます。
ちょっと分かりにくかったけど、恐らく新谷があの子に会うために未来に行きます。
そして未来の数がコーヒーを淹れて過去に送り込んだ。
多分だけど・・・そう推測。
ラストは石田ゆり子演じる幽霊も席から消えていたので、きっとあの世へ無事旅立ったのではと考えます。
こちらも勝手な想像です。